売買契約の条文 7.移転登記

不動産の登記は,大切な財産である土地や建物の所在・面積のほか,所有者の住所・氏名などを公の帳簿(登記簿)に記載し,これを一般公開することにより,権利関係などの状況が誰にでもわかるようにし,取引の安全と円滑をはかる役割をはたしています。という説明が法務省のホームページにあります。

不動産の登記簿は表題部と甲区、乙区に分かれています。表題部には、その不動産を特定するための場所の情報と面積、構造等の情報が記載されています。不動産登記法という法律により表題部の登記(表示登記)は義務付けられています。住宅を新築したときには表示登記を行う義務があります。

中古住宅、中古マンション、土地の場合には既に表示登記がされていて、物件を特定できます。通常売買契約完了後に行うのは、所有権移転登記です。所有権の登記は、甲区に記載されます。また、乙区には住宅ローンを利用していると必ず抵当権等の担保権が設定されています。

意外かもしれませんが、所有権の登記は、不動産登記法では義務になっていません。所有権の登記をしなくても自由なのでOKです。しかし、民法では、所有権登記がない物件には完全な所有権を認めていません。他の人がその不動産に所有権登記をすると所有権を認めるのが原則です。第三者に所有権に主張が出来ず、面倒になります。

つまり、自分の権利を守るためには、所有権が変わったらあたりまえに登記するべきです。

所有権の移転登記には、売主の権利証、資格証明、印鑑証明(3ヶ月以内)、司法書士への委任状、実印が必要です。買主は、住民票、司法書士への委任状、認印を用意します。書類が揃っている事を確認して、売買代金全額(手付金支払い済みの場合は残金全額)と引換に、売主から先程の登記に必要な書類を受領します。

これは、売主が売買代金全額受領と物件の引渡及び登記申請(登記に必要な書類の引渡)の義務の履行、買主の売買代金支払義務が同時履行のl関係にあるからです。この場合、所有権移転登記に必要な費用は、買主が負担することが売買契約書に明記されているのが普通です。ただし、抵当権の抹消、売主の住所変更登記については、売主の費用負担となります。