契約条文 8.手付金

一般的な不動産売買契約では、契約時に売買代金の一部(手付金)の授受、決済引渡の時に残金授受と所有権移転を行います。でも、手付金の支払いのない、契約と同時に売買代金全額を授受する契約方法もありますが、多くありません。
不動産の売買は高額な金銭の授受になりますので、手付金の授受で売買契約を成立させるなどの意味があります。

手付金の性格には、次のようなものがあります。

 ?【証約手付】 契約の成立を証拠する趣旨。

 ?【解約手付】 買主は手付金を放棄して、売主は手付倍返で契約を解除することができるとする趣旨。

 ?【違約手付】 契約後に当事者に債務不履行があった場合に、損害賠償金の予定を兼ねる趣旨。

実務的には、解約手付の意味が重要です。証約手付の意味は、契約書を作成するので意味が薄くなります。また、違約手付に関しても契約書の条文に損害賠償額を明記しているのが普通です。

売買契約を締結して、手付金を授受しても、買主が放棄、売主が倍返で解約できると契約の拘束力が弱くなる問題があります。極端なケースで、手付金一万円であれば、解約しても当事者の損害は一万円ですので、いつでも解約される不安定な契約となります。

宅地建物取引業者が売主でない場合には、手付金の額には制限がありません。通常は、10%から20%程度とされます。