不動産売買契約 3.売買対象面積と売買代金の額の決定方法
一般的な商品の取引では、商品の個数×単価=代金となります。
不動産では、土地、建物、区分所有建物によって扱いが異なります。
【土地】
1.公簿売買・・・登記簿により物件を特定して、登記簿の面積にて売買契約を行ないます。
売買代金は、契約時に確定して、後日実測面積と登記簿面積が異なっても、売買代金の増減は行ないません。一般的な売買契約はこのタイプは多いです。
2.実測売買・・・契約時には登記簿面積を基準として、残金決済日までに測量を行い、実測面積をもって売買代金を清算します。
清算は土地の単位当たり面積に実測面積と登記簿面積の差を乗じて金額を算出します。
この場合、実測測量をこないますが、測量にも種類がありますので注意が必要です。
●確定測量図・・・売買対象と隣接するすべての土地の境界について境界確認を行うもので、隣接土地の所有者及び公共用地の境界を確認したものです。しかし、公共用地(道路・河川等)の境界確定(官民査定)には数ヶ月を要して費用も嵩みます。
●現況測量図・・・公共用地の境界確定(官民査定)を行うと時間もかかるので、個人間売買ではそこまで要求しないときには、隣接民有地のみとの境界を確定させて作成したのが現況測量図です。
隣接民有地との境界の確認は、通常、土地家屋調査士が隣接の所有者に境界を確認してもらうのですが、その際に、立会い確認の記録として、立会い日時の記録のみ、境界確認書に署名捺印、境界確認書に証明捺印(実印)と印鑑証明書の添付をするまでと、具体的に契約書に明記すべきです。
特に、実測売買の場合は、隣接所有者の境界確認が得られなければ、決済引渡しが出来ない事にもなりかねませんので、注意が必要です。
【建物】
建物については、登記簿で物件を特定して、代金の額を決定して取引行います。増築などで未登記部分があってもそのことが表示して当事者が了解していれば問題はありません。床面積を実測して取引することはありません。
【区分所有建物(マンション)】
マンションも土地部分と建物部分とに分かれていますが、登記簿にて物件を特定して売買されます。ただし、注意が必要なのは、専有面積の表示について、登記簿は壁の内側面積で表記されていますが、販売パンプレット等では、壁の中心で測った壁芯面積になっています。マンション新築時の建築確認申請時には建築基準法で壁芯面積で表示しているからですが、登記簿面積は建物完成後でなければ確定しないからです。
不動産売買契約 4.境界の明示
通常の売買契約では土地の境界(きょうかい、けいかい)を明示して目的物の範囲を認識させることが必要です。
土地の確定測量を行う場合は、境界については隣地所有者との立会い確認がありますので、明確になります。
しかし、一般的な住宅地の取引では、費用の問題もあり測量を行うケースは少ないと思います。ただし、四隅の境界標のうち、1本の境界
が不明の場合等は行うこともあります。しかし、この場合でも、公共用地との境界確定まで行う「確定測量」ではなく隣地民有地との境界を確定させる「現況測量」が一般的です。
商業地等の場合は、確定測量を行うことが多いです。坪当たりの価格も高く、会社同士の契約では、特に後日の紛争は問題になります。
境界の確認を行っても様々な理由で、明示出来ない場合もあります。多くは、境界標が土の中に埋まっているケース。これは、掘り起こせば、確認できますが、掘り起こす作業が大変です。ブロック塀等もあり狭い場所で、境界標が確認できても写真に記録するしかない場合もあります。出来れば、このような境界標は塩ビ管のようなもので、埋まらないように管理することが、望ましいと思います。隣接者がお互いの為になります。
境界標を確認する時に、越境がないか確認します。地上にある建物、ブロック塀、物置等の工作物が対象ですが、屋根の庇が空中で越境してることもありました。その時は、屋根の庇を鋸で切断して、越境を解消しましたが、覚書で確認書類を残す方法もあります。

不動産購入その2