不動産価格の査定

不動産の価格はどのように決まるか

近くにあって、面積も同じような土地でも、価格が違う場合があります。不動産鑑定評価基準によると、
(1)その不動産に対してわれわれが認める効用
(2)その不動産の相対的希少性
(3)その不動産に対する有効需要
の三者の相関結合によって生ずる不動産の経済価値を、貨幣額をもって表示したものである。と難しく表現されています。更に理論的には、一般的要因、地域要因、個別的要因の3つの要因で、価格が形成されているとされています。

一般的要因とは、社会的、経済的その他のマクロ的な観点から、不動産価格に影響を与える要因です。
地域要因とは、対象不動産をある地域の一構成要素としてとらえた場合、その属する地域が環境、利便性などの点で他の地域と区別されるべき特性を有していると認められる場合に、この地域要因により、地域相場が形成され、土地価格が形成されます。
個別的要因とは、不動産の個別性が生じて、この個別性が価格を形成することです。同じ、地域内の土地でも、間口、奥行き、接している道路の状況、土地の形等の条件が異なるのが通常です。

価格形成要因

不動産価格の種類

不動産価格で、取引価格、地価公示、路線価、固定資産評価額等の複数の名称を聞く機会があると思います。
目的によって、それぞれの価格が存在しているので、分かりずらくなっています。一物四価などとも呼ばれています。

通常の不動産売買では、取引価格(実勢価格)である実際に市場で取引されるであろう価格であり、その地域で実際に成約した事例等により、ある一定の水準が形成されます。

公示価格は、地価公示法に基づいて、国土交通省土地鑑定委員会が、適正な地価の形成に寄与するために、毎年1月1日時点における標準地の正常な価格を3月に公示するもので、実際に成約した価格ではありません。土地の取引価格に対して指標を与えることが目的です。

路線価は、土地の相続税や贈与による財産評価算定の基礎となるものです。

固定資産評価額は、市町村等が固定資産税を課税するための基礎となる価格で、3年に1回見直しが行われています。

以上のような、不動産価格には種類がありますが、これから不動産を売却する場合の基準となる価格は、取引価格(実勢価格)が重要な要素となります。

不動産会社の査定価格とは

不動産会社の査定は、実は、正式な査定方式はありません。一応、公益社団公人不動産流通近代化センターの価格査定マニュアルがありますが、絶対的なものではありません。
各社の査定方式はさまざまですが、概ね、過去の取引事例や新築分譲価格等を参考に、土地の間口、高低差、マンションの所在階、日当たり、建物グレードを参考に、担当者の主観で査定価格を決めています。

査定価格は、実際に購入する顧客が決めた価格ではなく、売れそうな価格として提示したもので、査定額で必ず売れるとは限りません。しかし、査定額で、必ず売れる価格もあります。
それは、不動産会社が、不動産を買い取る場合の価格です。買取価格の場合は、提示した不動産会社が、通常は即金で買い取りますから、正確な価格であります。ただし、通常の市場で売却する価格と比べると、2割以上は安くなります。

実際の、不動産売却時には、大きく分けて、一般市場で売却する場合の「流通価格」と不動産業者が買い取る「買取価格」がありますので、売却事情によって、どちらを選択するか、または、併用するかを決めれば宜しいかと思います。

高すぎる査定額

査定価格が高いのは、売主様にとって魅力的ですが、その会社に依頼するのが良いのでしょうか。じつは、売れる根拠も無いような、高い査定額を提示された場合は、要注意です。売却を受託した後に、販売活動を行わず、不動産業界の情報ネットワーク(レインズ)にも掲載しないケースがあります。その場合は、売れるのは難しいので、数カ月後に「値段を下げましょう」と値下げさせる「干す」と言われる状況にして、売主様の利益を阻害する場合があります。